求人や転職する前に知りたい。介護老人保健施設の仕事の特長


国が整備する様々な福祉施設の制度の中で、介護老人保健施設の位置づけは、終の棲家ではなく在宅へ復帰するための中間施設となっている。施設では介護職、看護職をはじめ、理学療法士や作業療法士などの専門職が互いに連携しながら質の高いケアを提供している。そんな中で、介護の仕事はやりがいや魅力にも溢れたものである。


高齢者福祉を支えるために(介護老人保健施設の特長や仕事内容)
介護の現状に考慮した様々な種別の施設
在宅復帰を目指すための施設
他職種同士の連携が支える介護
やりがいと魅力に溢れる仕事


★介護の現状に考慮した様々な種別の施設

 近年、人口の高齢化が進み、その平均寿命は男女問わず飛躍的に延びている。しかし、その反面、身体的に不自由になり日常生活がままならなくなる、いわゆる要介護状態の高齢者も増えているのが今の日本の現状だ。それゆえに、高齢者をどう支えるかという、介護に関する問題は今や日本の社会問題となっている。政府や各自治体は、様々な観点から各地域の要介護者の支援策を検討し、実施しているが、その中には介護施設の新規開設や介護職員の人員確保などもある。そういった中で、整備され開設された高齢者が介護を受けられる施設には、色々な種別がある。デイサービスやホームヘルパー派遣の制度は、在宅をベースに生活をする高齢者に向けた支援制度である。対して、家族の状況や身体的理由により在宅での介護より施設への入所を希望する方も増えている。そんな方の為には入所型の施設も幅広く整備されているのである。


★在宅復帰を目指すための施設

 入所型の施設にもいくつかの種類がある。そしてそれぞれに特長が異なっている。まず、特別養護老人ホームは終の棲家として多くの場合終末期になり人生を終える時まで、様々な介護サービスや余暇のサービスを受けながら暮らす場所である。より、プライバシーやその人の希望に沿った援助ができるように各施設で様々な工夫がなされている。また、建設時のハード面においても特長として、全室個室で1つのフロアが10人程度の小さなユニット形式になったユニット型特養が増え、より家庭的な雰囲気を重視している。もう1つの入所型施設として、介護老人保健施設がある。介護老人保健施設は、主に在宅復帰に向けたリハビリ施設であり中間施設と位置づけられている。入所して特別養護老人ホームと同じように日々の介護や医療的ケアを受けられるという点においては大差はないが、在宅復帰を目指すという目標に向け、入所する方々へ向けたリハビリに力を入れている。


★他職種同士の連携が支える介護

 終の棲家と位置づけられた特別養護老人ホームと在宅復帰を目標とする介護老人保健施設では、そこで仕事する人の職種や割合も若干異なってくる。介護職員が圧倒的多数を占め、看護職員が4~5人程度の特別養護老人ホームに対し、介護老人保健施設は看護師の割合が増している。さらに、作業療法士や理学療法士など、リハビリ専門の資格を有するスタッフが常駐している為、入所されている方は専門的なリハビリを日頃から受けることができるというメリットがある。在宅復帰へ向けた施設であるという性質上、一定期間で退所するということになり、その期間はおよそ3か月程度である。入所中に定期的に各方面の専門家が集まり、一人一人についての評価や今後のケアの方向性などを話し合い、よりスムーズに在宅への復帰など退所後の生活へ繋がるように配慮をされている。


★やりがいと魅力に溢れる仕事

 介護老人保健施設で仕事をする人は、介護福祉士等の介護の資格を持つ人が多いが、働く人材が不足する業界において、福祉業界とは異なる他の職種から転職をしようとする人も多い。そういった転職を希望する人の中には働きながら、勉強をし、資格取得を目指す人も多い。働きながらの勉強は大変な面もあるが、現場での学びは大きく、資格取得後にも引き続き、経験を生かして即戦力として働けるというメリットもある。介護業界の求人数はその必要性ゆえに比較的常時多数ある。事業所の種別により、または正社員やパートなど、その雇用体系によっても、仕事内容や勤務時間も異なってくるため、求人内容は詳細までしっかりと確認することが必要不可欠である。人の為に尽力する介護の仕事にはその大変さばかりがクローズアップされているように見受けられるかもしれないが、多くの職種の方が転職して来られることからもわかるように、やりがいのある魅力あふれる仕事でもあるのだ。