理学療法士のお仕事や待遇と給与体系
病院で入院する期間がだんだんと短くなっています。たとえば脳血管障害で入院した場合慢性期になると病院は退院を進めてきます。その患者がまひが残っていたり、寝たきりになっているときは介護老人ホームに行くことになります。これらの施設ではこのような患者が多いことから、積極的に理学療法士の募集を行っています。
介護福祉施設で行う理学療法
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中枢神経疾患障害が中心
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退院したら介護付き老人ホームへ
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在籍していることが決められている
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養成年限で違う給与体系
★中枢神経疾患障害が中心
理学療法士資格ができる以前では、マッサージ師や柔道整復師が治療にあたっていました。医学が進歩するとともに理学療法を専門とする職種の必要性が指摘されてきて、整形外科の疾患の後の治療ばかりでなく脊髄損傷や切断、関節リウマチなどのほかに脳性まひや脳血管障害などの中枢神経疾患が対象となっていきました。脳血管障害の患者には発作を起こした後いったん症状が落ち着くまでは、理学療法がおこなわれなかった時代もありました。現在では発症の直後から、積極的に理学療法が実施されるようになっています。実施が早ければ早いほど回復が早く、二次的な障害を未然に防止することが可能になってきました。現在では手術をする前から理学療法士の指導の下体力の維持増強、呼吸訓練を行うことによって手術後の回復を早めて早期退院に貢献しています。
★退院したら介護付き老人ホームへ
脳血管障害の脳梗塞や脳卒中で入院した時、急性期は一命を取り留めるために早急な治療が必要になってきます。治療を行った後に後遺症が出る人も多く寝たきりになったり、体にまひが残る人もいます。この病気が慢性期になると急性期に対応する病院では、退院を進められることが多くなっています。寝たきりになった患者や体にまひが残った患者さんは、次に入院する病院かあるいは自宅で療養するか、介護付きの老人ホームを探して入居するかの選択に迫られます。介護付きの老人ホームに入居した場合、その施設で当然リハビリを含めた理学療法を受けなくてはならなくなってきます。介護老人ホームではこのようないきさつで入居する人が多くなってきていますから、施設でも求人を行って理学療法士を募集することになります。この資格を持った人で病院から老人ホームに転職する人も多くなっています。
★在籍していることが決められている
理学療法士の仕事内容は運動、動作を機能面環境面から検査、測定調査して評価することが仕事です。地域や在宅では生活に支障が出ないようにすることが大切になってきます。老人ホームなどの福祉施設では施設や組織の運営、ネットワークづくりのための調整会議の設置や、開催そのほかに教育研修活動や各種のイベントを開催することが仕事内容になります。老人保健施設は医療と福祉の中間的な施設で、医療ケアと日常生活の機能を備えて自立支援、家庭復帰、地域と家族の結びつきを重視している施設です。このような施設は機能訓練事業を重視していることから、100床あたり理学療法士が1名勤務していなければならないことになっています。ですからこのような施設では求人を行って資格を持っている人を募集しています。ほかの業種から資格を取って転職する人もいます。
★養成年限で違う給与体系
この資格を持っている人の収入は、施設の種類や地域格差によって多少の変動があり教育年限によっても異なっています。3年生養成校の卒業生は、短期大学卒業程度の年収になっています。4年生養成校の卒業生ではそれよりもやや上の給与が設定されていることが多くなっています。同じ施設の中でも看護師や薬剤師などとは別の給与体系が設定されていて、作業療法士や視能訓練士などと同じ給与体系となっている場合が多くみられます。一般的にみると国、公立の施設の年収は私立の施設に比べて低く設定されていますが、のちの昇給率は高いという傾向があります。これに対して私立の施設では全体的に初任給は高く設定されていますが国、公立の施設に比べて昇給率は低いという傾向があります。老人福祉施設などの福祉施設においてもこのような傾向が強まっています。