介護施設とヘルパーの仕事

ホームヘルパーは、グループホームなどで認知症のお年寄りたちに介護サービスや生活支援サービスを提供しているケアスタッフです。


介護施設とヘルパーの仕事
アットホームなグループホーム
ホームヘルパーの役割
施設のヘルパーになるには
高齢化社会に役立つ仕事


★アットホームなグループホーム

 認知症対応型の老人ホームのひとつにグループホームがあります。グループホームは、認知症を持っているお年寄りたちが少人数で共同生活を送っている、地域密着型サービスのひとつです。同じように高齢者向けの老人ホームに有料老人ホームがありますが、グループホームは有料老人ホームよりもアットホームな雰囲気があるのが特長です。また、有料老人ホームは豪華な共有施設や医療サービスなどがありますが、グループホームにはそのような施設もサービスもなく、自宅のような感覚で暮らせます。入居者はそれぞれの持っている能力に応じて料理、掃除、洗濯などの役割を与えられ、自分でできることは自分でして、できないことはヘルパーにサポートしてもらいながら暮らしています。入居できるのは施設と同じ地域に住民票がある65才以上の高齢者で、要介護1や要支援2の認定を受けていることが条件となります。


★ホームヘルパーの役割

 グループホームで暮らしている入居者の生活を支えているのが、ホームヘルパーなどの専門知識と技術を持つケアスタッフたちです。現場ではホームヘルパーや介護福祉士が、24時間体制で常駐して勤務しています。ホームヘルパーはケアマネジャーが決めたケアプランに沿って、入居者たちに様々な介護サービスや生活支援サービスを提供するのが主な仕事です。具体的には、入居者の食事の世話、入浴や排泄の介助、散歩や外出などの付き添い、レクリエーション活動の計画や実施などの仕事があります。ただし、あくまでも自立支援を目的とした施設なので、なんでもかんでも手伝うのではなく、出来ない事だけサポートするのがホームヘルパーの役割です。身の回りの細かい世話や、身体的なケアや精神的なケアをしながら、認知症の進行を緩やかにして、最終的に入居者が自宅に帰宅できるように親身になってサポートをします。


★施設のヘルパーになるには

 施設のホームヘルパーになるには特に資格はいりませんが、通常は最低でも「介護職員初任者研修」の資格を取得してから就職するのが一般的です。介護職員初任者研修は、ホームヘルパー2級が廃止されたのに伴って新設された比較的新しい入門資格です。資格を持っていれば、旧ホームヘルパー2級と同等レベルの知識とスキルを要するという証明になります。受験資格は特になく、性別、年齢、学歴、職歴関係なく誰でも受験することができます。具体的には資格スクールや生涯学習センターなどに通学し、決められたカリキュラムに沿って学習していきます。そして最終日に振り返りのテストを受験し、合格することで資格取得証明書が発行されます。スクールへの通学なら最短で1か月程度、通教なら3ヵ月程度で取得できます。まったくの未経験から施設の求人に応募して転職を考えている人なら持っておいて損はない資格です。


★高齢化社会に役立つ仕事

 少子高齢化社会になり、特別養護老人ホームや有料老人ホーム、デイケアサービスなどのお年寄り向けの施設が増えてきています。特別養護老人ホームなどの安く利用できる施設は特に人気があり、申し込みをしても何年も入居待ちのところもあります。そしてホームヘルパーの求人数もそれに伴い増加傾向にあります。ホームヘルパーは、これからの高齢化社会を支えなくてはならない職業です。直接お年寄りと触れ合い、身の回りの生活をサポートする仕事なのでやりがいがあります。お年寄りはもちろんですが、その家族にとっても欠かせない存在と言えます。今は基本的にケアスタッフ不足の施設が多いので、実務経験がなくても資格があればホームヘルパーとして転職しやすくなっています。未経験からでも最終的にケアマネジャーにキャリアアップしやすいように資格制度が改良されているので、やる気があれば誰でも業界でキャリアを築くことができます。