作業療法士の仕事内容や待遇に関して

作業療法士は医療現場にだけいるのではなく、法律の整備が充実してきたことから各種の介護施設でもニーズが高くなってきていて、それらの施設からの求人も多くなっています。医療の現場から転職する人も多くなってきています。


リハビリを通して社会に貢献する職業
医療ばかりではありません
地域が受け入れていく体制
比較的多い収入が望めます
介護現場でのニーズの高まり


★医療ばかりではありません

 作業療法士は病気の予防や治療のために医学の一端にある人間の生活をも対象にして、診療を行うリハビリテーション医学を担っている専門職になります。作業療法は家庭生活や社会生活、学生生活や職業生活などを目標とした応用動作能力の障害、社会適応能力の障害を対象にしています。これらの能力の改善を図ることが作業療法士の主な役割になっています。リハビリテーションの医療技術は病院や診療所で行われる治療だけではなく、自宅での介護、認知症の予防、保険や福祉、さらには教育に至るまで医療の垣根を越えて人々の生活に浸透してきています。リハビリテーション医療に一翼を担っているこの職業も、その技能の特色を生かして世の中の流れの中で必要とされる領域へと広がりを見せて行っています。対象である人の社会生活への適応を援助する役割を担うようになっています。


★地域が受け入れていく体制

 作業療法士が働く場所は、医療の現場ばかりではありません。医療の現場を離れて福祉施設や介護施設で働いている人もいます。福祉施設における作業療法はある程度の医療を受けた後の障害が固定しつつある人が対象になっています。日本では障害がある人がより豊かな生活を送るために必要な福祉施設や介護施設、サービスなどが地域ごとに整備されています。障害がありながらでも住み慣れた地域で暮らすためには地域が物理的にも心理的にも受け入れることができる環境を整備しなくてはなりません。この職業はリハビリテーションの思想と医療技術を持って、障害がありながら地域で生活する人たちを支えています。またこれらの施設ではこの資格を持っている人たちを積極的に求人しています。医療現場にいた人が転職してこれらの施設で働いていることも珍しくはありません。


★比較的多い収入が望めます

 作業療法士は転職することも珍しいことではありません。中途で採用された時のこの職業の待遇には、この職業以外の職歴が反映されることはあまりなく資格を取得した後の経験年数によって決まる場合が多くなっています。この職業の給与には専門職としての経験が生きてきます。この資格を持っている人は高齢者施設で働く人も多くなっています。大学など4年生の養成学校を卒業した人の初任給は20万円ぐらいです。そのほかに資格手当などが付きます。新卒者の年収はボーナスも含めて約300万円ぐらいになっています。この職業は70%が40歳以下という若い集団になっています。勤務先により年収は変わってきますが平均すると400~450万円程度になっています。施設の求人もこれぐらいの年収で求人を行っているところが多くなっています。仕事内容もリハビリに関するものばかりでなく、高齢者と一緒に作業を行ったり話したりと比較的楽なものが多くなっています。


★介護現場でのニーズの高まり

 介護施設での作業療法士の仕事内容は比較的に楽で、安定した給与をもらうことができます。病院での入院日数は医療費の問題も含めて短縮化している傾向にあります。そして退院とともに家庭に戻れない人のそのあとの受け皿として、短期入所の老人保健施設や福祉センター、長期間または終生の生活の場である特別養護老人ホームなどがあります。これらの施設においても生活指導や機能の改善に向けた援助にこの作業療法ができる人たちの働きがもとめられています。作業療法ができる人たちには地域在宅ケアのかなめともなっている診療所や、地域リハビリテーション支援センター、老人保健施設や福祉センターなど福祉介護領域への需要が高まってきています。保険制度や障害者自立支援法などの法律の整備によって活躍ができる職域は、拡大の一途になっています。