他に良い職場はないの?介護の職場の業務に疲れた


介護に従事する人は、転職する人が増加する傾向にあります。しかしその前に、もう一度介護保険の理念そのものを見直すことが必要です。介護保険制度の理念を見直すと、ほかにも可能性のある仕事は存在します。そのため介護に従事する人は、現在の職場の業務の内容に疲れたと悲観する必要はありません。したがって介護に従事する人は、有意義な介護転職を目指すために、視野を広げることが大切です。


他に良い職場はないの?介護の職場の業務に疲れた
医療と福祉の給料の違い
給料が相対的に低く設定されました
介護保険の理念そのものを見直すことが必要です
視野を広げることが大切です


★医療と福祉の給料の違い

 以前までの日本は高齢者の数が少なくて、安い労働力を背景に経済成長を遂げました。しかし高齢者の割合が増加するようになったので、介護の担い手を確保することが必要になったのです。そこで政府は、それまでなかった介護保険制度を創設して、介護の担い手を確保することにしました。そうした介護保険制度の特徴は、医療と福祉がミックスしたことです。医療と福祉というのは、人のために尽くすという点では共通します。いっぽう医療はすでに医療保険制度が、とても充実するようになっていました。そのため医療はビジネスの一環として、世の中に定着した分野でもあるのです。結果として医療というのは、従事する人への給料が比較的優遇されているのです。これに対して福祉というのは、無償の行為としての側面が、根本原理として存在しています。無償の行為ですから、ビジネスの一環として捉えられていません。そのため福祉というのは、従事する人への給料を優遇するという概念が少ないのです。


★給料が相対的に低く設定されました

 このように医療と福祉では、従事する人への給料に対する認識が、根本的に大きく異なります。すなわち介護保険制度は、給料に対する認識が大きく異なる2つの分野を、合体させたものなのです。結果として介護保険制度は、従事する人への給料が、医療より相対的に低く設定されました。いっぽう介護の仕事というのは、ハードワークになることが多いという特徴があります。例えば普通の仕事では、昼と夜の勤務時間帯が短期間で入れ替わることは、それほど多くありません。しかし介護の仕事の場合には、短期間に昼と夜の勤務時間帯が入れ替わることが多いのです。またこうした時間面ではなくて、対象が肢体不自由な人が多くなります。肢体不自由な人を扱うのですから、かなりの精神的な緊張をもって接する必要があるのです。そのため介護に従事する人は、肉体的な疲労度だけではなくて、精神的な疲労度も高くなります。


★介護保険の理念そのものを見直すことが必要です

 したがって介護に従事する人は、給料が高くないのに、心身共に疲労度が高くなることが多いのです。そうした背景もありまして、介護に従事する人は、転職する人が増加する傾向にあります。ところが介護に従事するためには、何らかの資格を取得していることが多くなります。例えば介護福祉士になるためには、国家資格を取得しなければなりません。しかし資格の取得は、福祉系の学校で勉強するか、実務経験を経て国家試験にパスする必要があります。すなわち介護に従事する人は、従事するためにある程度の投資をしているのです。投資をしたのですから、職業そのものを転職すると、投資が無駄になります。そこで必要になるのが、もう一度介護保険の理念そのものを見直すことです。例えば介護保険制度の大きな理念のなかに、介護状態からの離脱が掲げられています。介護状態の離脱をするために、介護保険制度では機能訓練が重視されているのです。


★視野を広げることが大切です

 機能訓練というのは、医療的な介護をするために、介護保険制度のなかでも料金が優遇されています。料金が優遇されているということは、その分野に従事すると、給料も優遇される可能性が高まるのです。また給料だけではなくて、従事する時間帯も昼間に限定されることが多くなります。さらに機能訓練を行うことによって、利用者の状態が回復するようになります。介護の現場では、状態の維持か悪化が多いので、回復することは大きな遣り甲斐にも繋がるのです。このように介護保険制度の理念を見直すと、ほかにも可能性のある仕事は存在します。そのため介護に従事する人は、現在の職場の業務の内容に疲れたと悲観する必要はありません。むしろ視野を広げることによって、介護の仕事にはさまざまな可能性が残されているのです。したがって介護に従事する人は、有意義な介護転職を目指すために、視野を広げることが大切です。