介護職での転職に迷った時には


特別養護老人ホームの介護職向け求人情報を元に、転職を考える時に知っておきたい事項をまとめている。日頃から他社の就業状況や、給与なども参考に仕事を続けておき、万が一現在の就労環境が悪化した際にはスムーズに新しい職場環境へと移行できるようにもしておきたい。


介護職での転職に迷った時には
介護現場の現状と、職員同士の人間関係
求人には日常からチェックをしておきたい
自分の気持ちを分かってもらえているか
新しい環境へと心機一転する事も大切


★介護現場の現状と、職員同士の人間関係

 特別養護老人ホームでは、24時間いつでも適切に対応できる介護が必要となる過酷な現場である。一見すると穏やかな環境にも見えるが、多くのお年寄りはいつ誰が病気で倒れるかもわからないリスクを背負っているほかにも、精神面での矛盾や不安を抱えながら生活を送っている。いつもリスクと背中合わせの生活をしている人たちを支える職場とも言える事から、環境的には病院に近い存在であるとも言えるだろう。また、介護職員として仕事をするにあたって、一般の職員同士とのコミュニケーションも大切である。仕事で転職を考える人の中には、介護の仕事よりもむしろこの職員同士の人間関係に悩んで離職を考える人も決して少なくはないとも推察する事ができる。常にハイリスクと背中合わせの職場であるからこそいつも慎重にならなければいけないが、その負担がどうしても職員同士の精神面にプレッシャーを与え続けてしまうのである。


★求人には日常からチェックをしておきたい

 どんな人でも、最初に就職した職場において定年まで仕事を続ける事はなかなか難しいものである。常日頃リスクが高い状況を背負って仕事を行っている病院や老人施設などではなおの事である。誰しもできれば同じ現場に長く勤務したいものである。しかし長期間の就労期間において、時として厳しい任務が続くようであればやむを得ず転職を考える必要性が出てくる可能性も無きにしも非ずである。現在たとえ余裕がある就労状況であったとしても今後のために、念のため他の会社の求人情報などもチェックしながら働くのも一考である。中長期的にチェックを行っておく事ができれば、その会社の就労状況や職場の労働環境、並びに人間関係、給与や待遇などについても詳しく情報収集を行う事ができる。他社の労働条件をチェックしておく事で、現在の職場環境の問題点に気がつき、足回りを整えるヒントを得る事ができる場合もある。余裕がある時にこそ他の会社の労働状況についても確認しておきたいものである。


★自分の気持ちを分かってもらえているか

 職場の労働状況を苦しいものにする要因としては、やはり職員同士の人間関係にあると言えるだろう。職員同士の人間関係は毎日接している人間同士だからこそ、複雑且つ難しくなりやすい部分でもある。できるだけお互いに波風立たせないように作業を行なうことができればいいが、時として上司から無理難題を押しつけられる事もある。逆に、管理職の立場としては部下が指示通りに従わず思ったように連携が取れなくて悩む人もいる。どんな仕事でも作業を遂行する上で相手不在の仕事はありえないため、「自分の気持ちをわかってもらう事ができているかどうか」について考えて仕事をしてみるのも一考である。自分自身が努力を続ける事で改善できる問題もあるが、組織に所属している場合なかなかそうはいかない事も少なくはない。そんなところが、人間関係の改善に対する難しい部分でもあると言えるだろう。周囲の職員と相談しながら、出来るだけ就労しやすい環境を整えておきたいが、時として自分一人では難しい場合もある。


★新しい環境へと心機一転する事も大切

 どうしても人間関係の問題が難しく、自分の立場や気持ちを分かってもらう事ができない場合には、切り札として転職をするため行動を起こしたい。思い切った行動とも言えるが、自分の能力と現在の職場環境とがマッチせずに、決して良い就労状況とは言えない苦しい状況が続く場合はせっかくの労力が実にもったいない。また、近年耳にする介護施設での事件性のあるトラブルの多くは、職員同士の人間関係の問題や、職場の管理体制に問題を抱えたまま解決方法が見当たらずに業務が続けられた結果でもある。とりわけ人間関係での問題点をうやむやにしたままでは、組織全体でも良い仕事ができないばかりか被介護者とのトラブルが発生してしまう深刻な原因にもなりかねない。問題が複雑化する前に、前もって調べておいた転職先に関する情報を元に、新しいスタートを考える事も大切である。就労状況を変えることは色々な意味でもプレッシャーでもあるが、新しい就業先の環境をより働きやすくする事も踏まえて、前向きに捉えて良い活動にしたい。